禁煙に失敗してきた方へ
あなたを禁煙失敗に導く、その正体とは
「今度こそ、絶対にタバコをやめてやる!」そう決意し、禁煙に挑戦しても「6ヶ月以上続く方はわずか10%」であるというデータがあります。今や3人に1人は「タバコをやめたい」と思ってるというデータもあり、禁煙がいかにハードルが高いものかが垣間見えます。
ニコチン依存症
タバコに含まれるニコチンという成分は、耳にしたことがあると思います。ニコチンは脳に「快感を生じさせる物質:ドーパミン」を大量に放出させます。これが「タバコを吸うとなんだか落ち着く、やめられない」といった状態を作ります。
【ニコチンが切れる→離脱症状(禁断症状)があらわれる→タバコを吸う】
この悪循環が、いわゆる「ニコチン依存症」です。
ニコチン依存症から脱するには、ヘロイン・コカインなどの中毒と同じくらい困難であると言われるほど、実は恐ろしい依存症なのです。
「つい、また吸ってしまった・・・」
そう自分を責める前に、一度、禁煙外来を受診してみてはいかがでしょうか?
ニコチン依存性チェック項目
- とてもタバコが吸いたい
- 落ち着かない
- 気分が落ち込む
- 食欲が増す
- イライラ・欲求不満・怒りのいずれかを感じる
- 寝つきが悪い
- 不安を感じる
- 眠っても途中で目が覚める
- 集中できない
など、以上に該当する方は、ニコチン依存症の疑いが高いです。
これまで何度も禁煙に失敗してきたという方には、当クリニックの禁煙外来をおすすめ致します。
禁煙外来とは
「どうせ変わらない」という誤解
禁煙は、いつ始めても遅くない
長年、タバコを吸っている方、タバコを手放せないという方は「今更禁煙してもどうせ変わらない・・・」そう思っていませんか?
それは大きな誤解です。
今からでも禁煙をして、それを継続することができれば、タバコでダメージを受けているあなたの身体も、徐々に健康体へ近付いていきます。
気になる症状や禁煙治療の不安や疑問を抱えている方は、一度ご相談ください。
医師による禁煙のサポート
禁煙外来は、専門的な知識を持った医師が、
- 禁煙補助薬の処方
- 治療の経過
- 禁煙中の症状への対処
を行います。
カウンセリングによってあなたの喫煙歴を理解し、自分一人ではなかなか達成できない禁煙を成功に導けるように、二人三脚でサポートさせて頂きます。
健康保険等を使用した禁煙治療
「ニコチン依存症は病気である」と認識されるようになり、一定条件を満たしている方は健康保険等を使用した禁煙治療ができるようになりました。
- ニコチン依存症の判定テストが5点以上
- (35歳以上の方)1日の喫煙本数に喫煙年数を掛けた数が200以上である
- ただちに禁煙を始めたいと思っている
- 禁煙治療を受けることを文書で同意している
以上を満たすことが、保険適用の条件となります。
最終的なニコチン依存症の診断は、医師が行いますので、まずはご相談ください。
<注意点>
過去に健康保険等で禁煙治療を受けた経験がある方で、前回の治療(初回診察日)から1年経過しない場合は『自由診療』となりますのでご注意ください。
1年経過している場合であれば、「過去に禁煙治療を行った後に再喫煙をしてしまったという方」でも、再度治療することが可能です。
禁煙のメリット
やめたその日から「よかった」と思える
時間経過による変化とメリット
長年タバコを吸っている方は、「今さら禁煙しても変わらない」と誤解されている方が多いように感じます。もちろん、そんなことはありません。タバコは、やめた時点から、様々な効果を実感して頂けます。
禁煙の治療を始めた方々からも
- 目覚めが爽やかになった
- 肌の調子が良くなった
- 口臭が気にならなくなった
- 衣服・部屋の臭いがなくなった
など、たくさんのメリットを実感されるようです。
タバコをやめて数日後には、味覚・嗅覚が鋭敏になっていくのを感じて頂けます。今までよりも一層、食べ物を美味しく感じることができるようになります。
一番大きな変化は、あなたの家族や周囲の大切な方々が受動喫煙を受けるリスクがなくなるという点です。周りの方々が不快な思いをすることがなくなるのは、とても嬉しいことですね。
禁煙を続けて、健康的な身体を維持しよう
禁煙期間1ヶ月
禁煙を1ヶ月以上続けると、
- 咳
- たん
- 喘鳴(呼吸時に、ぜいぜいと雑音を発すること)
など、呼吸器の症状が改善して行きます。
禁煙期間1年以上
禁煙を継続すればするほど、呼吸器の機能は改善していきます。
COPD:慢性閉塞性肺疾患(タバコの煙等の有害物質によって肺が炎症を起こす病気)である患者様の肺の機能にも、改善がみられるケースがあります。
禁煙期間2~4年
もともとタバコを吸う方は、吸わない方よりも心臓の病気のリスク(狭心症・心筋梗塞 等)が高いです。しかし、禁煙期間が長くなれば、そのリスクも著しく低下していきます。
禁煙期間10年以上
禁煙期間が長期になれば、がんのリスクも低下します。
タバコが原因になることが多い
- 咽頭がん(鼻の奥〜食道に至るまでの通り道にできるがん)
- 肺がん
- 口腔がん(口の中と唇にできるがん)
以上のような、がんになるリスクが低下していきます。
禁煙期間を継続し、期間が長くなればなるほど、タバコを吸わない方と同じ健康状態に近付けることができるのです。
改めてお伝えします。
「禁煙が遅いということはありません」
是非、一度、当クリニックの禁煙外来をお試しください。
禁煙治療の費用・スケジュール
禁煙治療の費用について
健康保険等で、禁煙治療のみを行った場合の自己負担額(3割負担として)は、13,000〜20,000円程度です。
治療のスケジュールについて
標準的な禁煙治療のスケジュールでは、12週に渡り合計5回の診察が行われます。
- 0週目:初回診察(禁煙開始)
- 2週目:再診
- 4週目:再診
- 8週目:再診
- 12週目:再診(治療終了)
禁煙についてのQ&A
禁煙治療を始める方へ
喫煙者はすべてニコチン依存症なのですか?
いいえ、ニコチン依存症ではない喫煙者もいます。
たとえば、タバコを吸い始めたばかりの人や、たまにしか吸わない人では、ニコチン依存症の可能性は低いと考えられます。TDSというテストで、ニコチン依存症のチェックをすることができます※。
※ 最終的なニコチン依存症の診断は医師が行います。
禁煙治療は健康保険等が使えるのですか?
下記の要件を全て満たす方は、禁煙治療を健康保険等で受けることができます。
*ニコチン依存症を判定するテスト(TDS)で5点以上
*[1日の喫煙本数×喫煙年数]が200以上
→(2016年4月より35歳未満にはこの要件がなくなりました)
*直ちに禁煙を始めたいと思っている
*禁煙治療を受けることに文書で同意(サインなど)
要件を全て満たさなくても、自由診療で禁煙治療を受けられます。また、過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方の場合、前回の治療の初回診察日から1年経過しないうちは、自由診療となります。
以前、健康保険等で禁煙治療を受けても禁煙できなかったのですが、また健康保険等は使えますか?
禁煙治療1回目の診察日から1年以上経過していれば、健康保険等を使って再び禁煙治療を受けられます。1年経過しないうちに、再び禁煙治療を受ける場合は、自由診療となります。
入院しているのですが、健康保険等で禁煙治療は受けられますか?
入院中は、禁煙治療に健康保険等を使うことはできないため、自由診療となります(※)。 なお、医療機関内はほとんどが禁煙ですので、入院予定のある方は、医師と相談の上、早めに禁煙治療を受けることをお勧めします。
※ 外来で健康保険等を使って禁煙治療を受けている途中に入院した場合、薬剤料は引き続き健康保険等を適用できる場合があります。事前に医療機関にお問い合わせください。
禁煙治療ではどんな薬を使うのですか?
「ニコチンパッチ」「ニコチンガム」「ニコチンを含まない飲み薬」の3種類があります。
<ニコチンパッチ>
1日1回皮膚に貼る薬で、医師の処方が必要な種類もあります。
<ニコチンガム>
タバコを吸いたくなったときにかみます。かみ方は普通のガムと違うので、注意が必要です。薬局・薬店で購入できます。
<ニコチンを含まない飲み薬>
通常1日2回(飲み始めの3日間は1日1回)服用します。医師の処方が必要です。
途中で禁煙できても、12週間、医療機関へ通わなければなりませんか?
健康保険等を使った禁煙治療では、12週にわたり計5回の診察を受けます。途中で医療機関に通うのをやめてしまった人より、禁煙治療を5回全て受けた人の方が禁煙を続けている割合が高いとの調査結果(※)があります。
禁煙を長く続けるなら、「1人でも禁煙を続けられる」と考えて、医師に相談なく治療を中断するのは避けた方がよいでしょう。
<注意>
禁煙中に身体・精神上の気になる症状が現れたら、我慢せず医師に相談してください。
どの医療機関でも禁煙治療に健康保険等を使えるのですか?
健康保険等は使えず、自由診療のみで禁煙治療を行っている医療機関もあります。
健康保険等による禁煙治療を希望される場合は、医療機関検索で該当機関を検索していただくか、事前に医療機関にお問い合わせください。また、健康保険等の利用には患者様ご自身も一定の要件を満たす必要があります。
※ 禁煙治療に健康保険等を使えない医療機関もあります。
禁煙治療中の方へ
タバコが吸いたくてたまりません。
禁煙を始めると、ほとんどの人は「タバコが吸いたくてたまらない」「イライラする」「集中できない」などの症状を経験します。このようなときは、深呼吸、水や氷を口にする、糖分の少ないガムや干し昆布をかむなど、タバコの代わりとなる行動で数分間を乗り切りましょう。少し時間が経てば、吸いたい気持ちもだんだんと楽になってくるはずです。
飲み会でタバコを吸わないためには、どうしたらよいですか?
飲み会や接待などの酒の席では、周りの人につられてつい「1本だけ」とタバコを吸ってしまいがちです。禁煙が落ち着くまでは、なるべく外で飲酒しない方がよいでしょう。どうしても断れない場合には、次のようなポイントを参考にしてタバコの誘惑から身を守りましょう。
*お酒を飲み始める前に、周りの人に禁煙宣言する
*タバコを吸う人から離れた席に座る
*吸いたくなったら水や氷を口にする
禁煙してから、気がめいってしまって元気が出ないことがあります。
禁煙をすると、いろいろなニコチン切れ症状が現れます。気分が落ち込んだり、元気が出ないのはその1つです。禁煙を開始してから1~2ヶ月程度におこりやすいので、その間は、趣味など自分の楽しめることをする時間を増やしましょう。
禁煙治療を受けている方は、一度、ご相談下さい。
禁煙をして体重が増えてきたのが心配です。
禁煙をすると、体重増加を心配されている方が多いようです。これは、味覚や胃腸の調子が改善される、タバコがなく口寂しいなどの理由から、つい食べすぎてしまうためです。口寂しいときには、ノンシュガーのガムやアメ、カロリーの低い干し昆布、氷などを口にするような習慣をつけるとよいでしょう。体重が増えたからといって、急にダイエットを始めると、今度は禁煙がつらくなります。禁煙を続けることで自信がついてきてから、食事と運動で少しずつ減量しましょう。
2ヶ月間禁煙できたので、1本くらいなら吸っても大丈夫ですか?
禁煙をはじめて2ヶ月ほど経つと、余裕が出てきて「ここまで禁煙できたのだから、1本くらい吸っても大丈夫に決まっている」と考えることがあります。しかし、多くの人は1本だけでは我慢できず、1本が2本になり・・・と、禁煙前の状態に戻ってしまいます。
「1本だけなら・・・」の誘惑に負けてはいけません。いままでの努力や禁煙の効果を思い出して、打ち勝ちましょう。